2023年09月のことば

数えきれないほどのお米の一粒々々がいまこの茶碗の中に私のために

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数えきれないほどのお米の一粒々々がいまこの茶碗の中に私のために
 育毛剤のコマーシャルで、21日間温めただけでひよこが生まれるタマゴ。そこから抽出した成分に驚きの効果があるんだというのがあります。ご覧になった方も多いと思います。確かにタマゴを温めるだけでヒヨコが誕生するのはすごいですよね。生命誕生の不思議さを感じます。タマゴといえば、イクラやタラコを食べる時にふと考えることがあります。この一粒一粒が鮭や鱈として産まれるんだよなと。タラコ一腹を食べると一体何粒の卵を食べているんだろうと思うことがあります。調べてみると約60グラムのタラコで20万粒くらい入っているそうです。たらこは大好きです。今までにいったい何万粒の鱈の卵を食べただろう。いや、何百万、何千万、何億粒の鱈になる命をいただいてきました。食事をするということは命をいただいているということに他ならないですね。動物だけじゃなく植物にだって命がある訳で、お米にだって命がありますよね。保育所の子どもたちが年長さんになると稲作体験を通して食育を学びます。春、田植えをする前にお米が出来るまでについて座学をしてから実際に田植えをし、田植えの大変さを実感します。夏、水の管理や病気にならないように手をかけて手をかけて大切に育てられていることを学び、稲の生長観察をします。秋には稲刈りをし、稲穂を乾燥させて脱穀し、あまりの収穫の少なさに大変さを実感します。私も数えたことはありませんでしたが、一本の稲の穂には約70粒の籾が実るんだそうです。脱穀した籾を籾摺りして玄米に、玄米を精米して白米に、白米を炊飯してご飯に、ご飯をおにぎりにしていただきます。自分たちで植えた苗に米が実りおにぎりにしていただくまでを体験することで、食事をする時、茶碗にもられたご飯を見て、目に見えていない部分に目を向けることの大切さを学びます。子どもたちはあんなに頑張ってた田植え稲刈りをしたのに穫れたお米の少なさに稲作の大変さも学びます。普段自分がいただいているご飯がどれだけの人の手を介してえられた食事なのか、どれだけの命をいただいていることなのかを学びます。「多くのいのちとみなさまのおかげにより、このご馳走を恵まれました。深くご恩をよろこびありがたくいただきます」と食事の言葉の意味を実感できるようになってほしいと願い毎年続けています。茶碗一膳にお米が約3,250粒だそうです。稲一株に稲22本の穂がみのるとすると約2.1株の稲でお茶碗一膳分のご飯になるんだそうです。近年SDGsを推進していてもまだ、日本では本来食べられるものが廃棄される食品ロスが5~10%程度あると推定されるそうです。食品ロスの1番の原因は食べ残し。家庭からでる食品ロスは全体の30%を占めているそうです。見えないものに眼を向けて、見えてこないことに思いを寄せることで見えてくるものがあるにもかかわらず見てこなかった私です。
     なんまんだぶ
レンジでチンするご飯は100円しません。どうなってんだろう。  
今月のことばについて

「今月のことば」の挿絵とタイトルは、株式会社探究社および株式会社法蔵館で発行している
「ほのぼのカレンダー」から引用させていただいております。

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