2014年7月

「おかげさま」の見える目

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 安倍首相は集団的自衛権の行使容認を限られた人たちだけで進めて閣議決定してしまいました。公明党も妥協点を探して行使容認しました。次代を担う子ども達に申訳ない気持ちでいっぱいです。あなたたちが最前線におもむかなければならないのですから。六十九年前三百万人もの戦争による犠牲者を出し、二度と戦争はしないと誓ったはずの日本が戦争の出来る国になってしまいました。戦争は絶対にしてはいけない。これだけは譲れない。自らをまもるために武力を用いれば犠牲になる人が必ずいる。国と国の関係で考えると複雑になるが、身近な出来事で考えると非常にわかりやすい。
 保育所では子ども達の様々な生活のシーンに出遇います。例えば、A君のクラスでこんなことが起こりました。仲の良いお友だちB君がクラスの中で、わがままな言動と行動をしています。C君やクラスの多くのお友だちはB君を許す訳にはいきません。孤立状態になりそうな状況が発生しました。日頃仲良しのA君はB君がクラスで孤立しないように擁護する発言行動をとります。B君と仲良しの他のお友だちの何人かもA君と同じようにB君擁護の立場に回ります。こうして言い争いがクラス全体に拡がりクラスが分裂する大変な事態になってしまいました。それぞれ自分の意見を正当化するために私の方が正しいのだと主張します。この主張はどこまでいっても平行線であります。事の発端はB君がわがままを言い出した事にあります。お友だちのわがままと知った上でも自分の大切なお友だちが白いものを黒だと言うのであればそれはなんとしても黒だろう。ここでひるむ訳にはいかないんです。なんとしても論破して友達を守らなければなりません。クラスの過半数の支持を集め大勢を占める事で正当化されるのであります。数は力なのです。
 日常生活で起こってくる身近な出来事も、集団的自衛権行使の容認という問題も本質は何ら変わらない事だと見る事が出来ませんか。
 自己中心的な考え方、私は正しい事をしているという驕り、同じ意見を持っているという仲間意識(同盟国)、対立する人(国)の考え方や意見を聴いてみようとしていない私の姿。正しいと思って行動していたが私は間違った事をしていなかっただろうか。今の憲法は三百万人もの尊い犠牲によって作られたものです。「戦争の放棄」を守り伝えなければ、多くの方々のお陰によって今が有るのですから。見えない陰に「お」をつけ「さま」までつけて「おかげさま」。今まで見てこなかった世界が見えてくるようになる。知る事の出来なかった世界を知る事が出来るようになる。今まで見えていなかった多くの陰の力、支えによって私が有りましたと、おかげさまの日暮しをさせていただいている私ですから。仲間づくりとは、仲間以外は仲間はずれにする事。「おかげさま」のこころで全ての人と仲良くしなければいけません。全ての人と。    なんまんだぶ
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