2020年9月

尊いものを仰ぐ 美しいものに感動

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 最近、テレビを観ていて若い歌手、俳優が誰が誰だかよく分からないことがある。同世代の歌手や俳優は大体わかりますが、違う世代の事になるとよくわからないという事はありませんか。普段聴く音楽も若い頃に聞いた聴き慣れた曲を聴くことが多くないですか。だんだんとおじさん化している自分をひしひしと感じる今日この頃です。子どもの頃、親や祖父母がテレビに映る歌手や俳優を見て「この人は誰か」と聞いてきた事を思い出す。今ではわたしも当時の親や祖父母と同じ感覚を持ち合わせる世代になりました。
 近頃の芸能活動のあり方をみてみると以前のようなテレビに映ることが主体の在り方から大きく変化し始めています。テレビに映らなくても芸能活動は成り立つんですね。インターネットを介して映像配信をするとか、これまでのテレビは無料(NHK以外)で視聴できることが当たり前でしたが、インターネットを介して配信されるものはほぼ有料であったり、衛星放送も有料チャンネルがいっぱいあります。無料で見ていたテレビもお金を払って情報を手に入れるというスタイルに変わってきました。音楽も今まではレコードを購入したり、CDを購入し、部屋の中の棚にレコードやCDが並ぶのが当たり前だと思っていました。買ったのだからわたしの目に見えるものとして所有するのが当たり前でした。しかし今では毎月一定金額を支払うことで、聴きたい時に聴きたい音楽をインターネットを介して聴くことが出来ます。これだと置き場所にも困らないし、探す必要もありません。支払いはクレジットカードで私が忘れていてもちゃんと決済されています。私もサブスクリプション(商品の一定期間の利用権として料金を支払う方式)の音楽契約を結んでいます。今では車もそんな契約で乗りたい車に乗りたいだけ乗り、いつでも交換できる時代だそうです。時代の急速な変化についていくのが大変なおじさんを実感している今日この頃です。時代とともにあらゆる事柄や物が変化していきます。価値観もそうです。人間同士の価値観の中で作り上げた価値、お互いが歩み寄れる中で折り合いをつけながら価値や値打ちを決めているのが世の中の価値観です。以前はもてはやされたものも時間が経つと輝きを失う。輝きを失ったのか観る側、受け止める側の感じ方が変わったのか。価値観の多くは時代と共に変わっています。しかし、きれいな真っ赤な夕陽そして茜色に輝く空と海いった景色は、いつ誰が見ても美しいと感じることができるのではないでしょうか。人の力の介在しない尊い存在、変わることのない美しさに人はみな感動を覚えるのではないでしょうか。本当に尊いものを見抜ける力というか、本当に大事なものは何なのかという基準、価値観をしっかりと身につけなければ、現代社会の大多数を占める価値観が一番大切なものと位置付けられて、本当に大切にしなければならない普遍の価値を有するものが失われていく社会になってしまいます。何が大切なものなのかをしっかりと見抜く力を養い、大切にしていきたい。
     なんまんだぶ
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