2023年7月

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 今月下旬に京都へ行く用事があります。真夏の京都はうだるような暑さだろうと思います。近年北海道も暑くなってきたとはいえ比較にはならないでしょう。楽しみな様な怖い様な。夏の京都の風物詩に鴨川の床があります。お店の鴨川に面した側に足場を組み、川の上に床をはって屋外の席を作り、涼みながら食事をしたりお酒を飲んだりする京都らしさを満喫できる場所です。五月の慶讃法要参拝の際には、四条大橋のたもとの床で美味しい中華と紹興酒をいただきました。今回もまたどこか違うお店の床へ行きたいなと思っています。陽が沈んでも極端に気温が下がる訳でもありませんから、物理的に涼しいというよりは、川のせせらぎや川面をつたう風に感覚的な涼しさを感じる効果があるんでしょう。それらに心がうるおされて気持ちが穏やかになって涼しさを感じるのではないでしょうか。心のうるおいは大事ですね。うるおいとは、ゆとりと考えてもいいんじゃないでしょうか。心にゆとりが無いと本来見なければならない事を見失う事がよくあります。コロナが5類に移行して2ヶ月ほど経ち移動する方も増えてきました。先日も駅で切符を買うのに並んでいましたが発車時間間際になると乗り遅れるんじゃないだろうかと心配になりイライラして心のゆとりなを無くし、駅員さんが切符の確認の説明をしてくれていても早くホームに行かなければと思ってしまい説明も上の空になっていました。結局、お得な切符を買い損ねました。見ているようで見ていない、聞いているようで聞いていないんですね。わたしがわたしの目で見ているというのは、景色に光が反射して眼球をとおして入ってきて見えている訳ですが、その光景の意味しているものを見るには、うるおいのある目、心のゆとりが無いと本来の意味を見ることは出来ないでしょう。暑い夏の最中に、屋外に屋根もない床を作ってそこで飲食をする鴨川の床。仮設の作りでがっしり感も無ければ高価な感じもしないのに、多くの人が訪れるのは、床の持つ川面の風やせせらぎの音に涼しさを感じるという心にうるおいを持って本質を見る事、感じる事ができるから長く続く京都の夏の風物詩なんでしょう。そういえば親鸞聖人御誕生850年慶讃法要に合わせて京都国立博物館で親鸞聖人の特別展が開催されていました。たくさんの宝物が展示されていました。じっくり時間をかけてひとつひとつ見てきました。何が一番印象深かったかと訊かれると答えに困ってしまいます。どれも見応えのあるものばかりで選ぶのが難しいのと、音声解説機から流れる解説に頼りっぱなしで自分のペースでじっくりと観ていなかったせいで印象に残らなかったのだろうか。しかし親鸞聖人やお弟子さんたちの坐像が並んでいたのは迫力がありました。 なんまんだぶ
 
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