2022年10月のことば

ほんものはつづく つづけるとほんものになる

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 先日面白いニュースを見ました。最新の研究で地球上の蟻の数について少なく見積もっても2京匹いるんだそうです。これまでは1京匹と言われおり地球上の人の総重量と同じと言われていたそうですから全ての蟻の総重量の方がはるかに重たいことになるんでしょうか。数で言うと全人口の250万倍の蟻が生息している事になるそうです。地球上にはまだまだたくさんの種類の生物がいる事を思うと人として生まれている事、この両親を親としている事、今この場所にいる事、今同じ時代の中で出遇っている人、すごい稀な中での出来事だなと感じます。人に生まれて仏法を聴ける事はなんともすごい事なんですね。「ああ、弘誓の強縁、多生にも値ひがたく、真実の浄信、億劫にも獲がたし。たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ」(ああ、この大いなる本願は、いくたび生を重ねてもあえるものではなく、まことの信心はどれだけ時を経ても得ることはできない。思いがけずこの真実の行と真実の信を得たなら、遠く過去からの因縁をよろこべ)と、教行信証総序のことばを思い出します。とんでもなくすごい事を当たり前だと思っていた事に気付かされます。本物に出遇うと本当の事、真実が見えてくる。
「道具屋」という落語があります。生前、数年続けて来ていただいた六代目笑福亭松喬さんの落語は聞き応えがありました。落語は同じ話でも一門によって微妙に中身が変わったりしてそこを聞き比べるのが楽しいものです。「道具屋」の中で、お客が「これはぎぶつやな」“ぎぶつ”の意味が分からない道具屋は「ぎぶつぎぶつ、正真正銘のぎぶつ、どこへ出しても恥ずかしくないぎぶつ」と太鼓判を押す場面があります。偽物は本物に似せて作られたものですが、本物か偽物かというと偽物です。本物の偽物です。正真正銘の偽物であって、間違いのない偽物という本物になっていませんか。ほんものとは何だろうかと考えることがあります。ごまかしのないもの。手抜きをしないもの。本格的なもの。すたれないもの。長く引き継がれ残っていくものを、世間的には本物と言われるのだろう。人類の歴史の中で構築され引き継がれてきたものは、ごまかしがなく手抜きされていない本格的なものが、本物になっていくんでしょう。これは人類における相対的な中で、みんながそうだよね本物だよねと認め合うものの事ですね。しかし「ほんもの」とは、いつでもいかなる時でも変わらない絶対的なものが、本当の意味での「ほんもの」でしょう。常に変化し続ける世の中である事を説いた仏教。たまたま仏法を聞く身に育てられた。人としてお育ていただいた。たまたま本物に出遇う事ができただけかも知れません。そんな偽物の私の生き様ですが、仏法を聴き続けることで、ほんものになっていく事ができるかもしれない。ならば仏法を聴いていかねば。 
     なんまんだぶ
今月のことばについて

「今月のことば」の挿絵とタイトルは、株式会社探究社および株式会社法蔵館で発行している
「ほのぼのカレンダー」から引用させていただいております。

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