2020年12月のことば

人間は みんな すばらしい

20.12s.png

 私は三人兄弟の末っ子で兄と姉とは八つと六つ離れている。今ではそんなに歳の差は感じないが、子どもの頃はずいぶん年が離れている感覚だった。当然共通の話題などそれほどあるはずもなく会話も少ない。兄弟で遊んだ記憶もあまりない。それが理由という訳でもないが、私はテレビが映っていないと寂しく感じるテレビっ子です。子どもの頃家族みんなが忙しくしていた事もあり、私はずっとテレビの前にいた。ドラマのストーリーとか予測するのが楽しかった。これまで観てきたテレビドラマで共感をし感動した忘れられないドラマが二つあります。一つは大学に入った年に放映された「ふぞろいの林檎たち」の一番最初のシリーズ。同年代の若者を取り上げた内容に共感し自分と重ねて毎週観ていた。友達の中には正座をしながら観ていたものもいた。サザンオールスターズの主題歌「いとしのエリー」が実にドラマとぴったり合っていた。もうひとつは「3年B組金八先生」です。強烈に感動しながら毎週観ていた。第1シリーズはちょうど年齢もピッタンコの中三の受験生。受験勉強などそっちのけで毎週金曜日8時から観ていました。第1シリーズは中学生の妊娠出産を取り上げていました。思春期の様々な問題に真正面から向き合い取り組む金八先生に感動しながら見ていました。第2シリーズでは校内暴力の問題を扱っていました。中でも「腐ったミカンの方程式」は忘れられない。ミカン箱の中に一つでも腐ったミカンが有るとまわりのミカンまで腐ってしまうという理屈で荒れている生徒を転校させた荒谷二中。その生徒を受け入れる桜中の担任が金八先生。金八先生に出遇い心を開いていく転校生加藤優。こんな先生になりたいと思ったものですが結局先生にはなれませんでした。金八先生に出遇い生活を改めていた加藤ですが、昔の仲間に呼ばれて学校側と話し合うために荒谷二中へ行くのですが、警察に通報され、放送室に立てこもり占拠するが、暴力じゃなく対話で交渉に来たと言うも最後には警察に制圧される。中島みゆきの「世情」が流れ、スローモーションで警察に逮捕されていくという衝撃的なシーンでした。警察で金八先生が「我々はミカンや機械を作ってるんじゃないんです。我々は毎日、人間を作ってるんです。人間の触れ合いの中で我々は生きてるんです。」と訴えます。涙を流しながら熱く語る金八先生。人として教え子に向き合う姿に何て素晴らしい先生なんだ。どんなに荒れている人であっても、そうなるには理由がなからずある。決して生まれた時から心を閉ざしたり、人を信じられない者もいません。そうなる理由が必ずあると思い人と接したならば必ず分かり合えるでしょう。やっぱり人間はみんな素晴らしいんです。海援隊の歌う主題歌「人として」には、「人として人と出会い 人として人に迷い 人として人に傷つき 人として人と別れて それでも人しか 愛せない」私が勝手にこの人は素晴らしいけれどあの人はちょっとと思っているだけ。人間はみんなすばらしい。    なんまんだぶ

今月のことばについて

「今月のことば」の挿絵とタイトルは、株式会社探究社および株式会社法蔵館で発行している
「ほのぼのカレンダー」から引用させていただいております。

≪ 前月のことば |  HOME  |   次の月のことば ≫

ホームへ
寺の概要
今月のことば
ブログ ブツブツ相念
お問合わせ・連絡

アーカイブ

年・月別アーカイブ