新しい年を迎えて誕生日が来れば満59歳になります。数えの六十歳です。数えで言うと還暦を迎えました。数え年は生まれた時が1歳で、正月が来たらひとつ歳を足していく計算になりますから還暦ということになりました。ちなみに12月31日生まれの子は生後2日目で2歳になります。最近では満年齢で還暦を数える方がほとんどでしょうからまだ還暦ということにはならないのかもしれませんが、しかしもうそんなことを話題にする歳になったんだなと思うと不思議な感覚です。子どもの頃見ていた60歳の方はもっと大人に見えていました。自分はこんなんでいいんだろうか?と情けなくなることがあります。昔は60歳を迎えるのが大変なことだったんでしょうね。今は人生百年時代と言われ始めましたから一生の時間の長さが40年も違うという事はやはり昔の方は、人生の重みというか厚みというか人生の味わい方が現代の私たちとは違うんじゃないかと思います。「よろこび(慶び)」の味わい方、受け止め方、感じ方も違うんでしょう。そんな60歳を迎えることが大変であったであろう時代に90年の生涯を生きられた親鸞聖人。もしもタイムマシーンがあるならばお釈迦様とともに絶対にお会いしたい方です。2023年はそんな親鸞聖人がご誕生されて850年の節目の年に当たります。京都のご本山、西本願寺では3月29日から5月21日までの5期30日間慶讃法要が勤まります。親鸞聖人はご苦労の多いご生涯だったと思います。幼くしてご両親と別れ、出家され、時の権力からの弾圧を受けられ流罪に遭われるなど苦難の人生を歩まれました。しかし親鸞聖人は真理に出遇われ苦悩を越える教えに生きられ、慶びの人生を歩まれました。「どうもあいつの言う事が気に入らない」「どうして私の言う事がわからないんだ」と、常に不平不満を持ち続けている私には親鸞聖人の歩まれた人生によろこびを感じる事は出来ません。苦労ばかりの人生であっても、不平不満ばかりの人生であっても、そんな愚かな私であるにも関わらず、多くのおかげによって生かされている事に気付けたならば「よろこび」を感じる事ができる存在になれるかもしれない。親鸞聖人は『たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ………ここをもって聞くところを慶び、獲るところを嘆ずるなり』と、教行信証の総序において、聖人が人生を賭けて求められた苦悩の解決の答えがこれであったと書き記された1224年が立教開宗の年とされています。2024年はそれから800年。800年経っても何年経っても変わらないものが真実で、その真実を求めて生きられた親鸞聖人の御誕生850年立教開宗800年に出遇えた事のよろこび、教えに出遇えた事で感じるよろこびを噛みしめ味わう年にしたいと思います。『親鸞聖人御誕生850年立教開宗800年慶讃法要』にあえてほんとによかった。 なんまんだぶ
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