2021年4月

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 本州では今年は例年よりも早いペースで桜が咲いています。今月中には北海道もほぼ開花するでしょう。満開の桜を眺めているとほんとうに綺麗だなと思います。ちょうど一年前に「100日後に死ぬワニ」という四コマ漫画が話題になっていました。何気ない日常を過ごしているワニが100日後(お彼岸の中日)に亡くなるという設定の漫画でした。いったいどんな終わり方をするんだろう。ワニはどうして亡くなるんだろうと気になりました。最後の場面は道路の両脇の満開の桜並木の桜が風に舞い散っている絵でした。ひよこを助けようとしてワニは交通事故で亡くなったようです。綺麗に咲いた花もやがて散っていく、どんなに元気だった人もやがては人生を終えていきます。「明日ありと思う心の仇桜夜半に嵐の吹かぬものかは」親鸞聖人が9歳の時に詠まれた和歌と言われています。はかないいのちを今日も生かされていました。近年桜の開花時期が早まって来ているように感じます。気候が急速に変わって来ているんじゃないかと心配になります。あまりにも人間が環境を変えてしまったのでは無いだろうか。地下鉱物を掘り出し、化石燃料を掘りあさり、二酸化炭素を地上に放出し、環境を著しく変化させた近代の人類。その中の一人である自覚は多少なりとも持ち合わせているつもりですが。産業革命以降の250年くらいで目まぐるしい変化をして来た地球。多くの文明の利器と言われる物が生まれてきた。自動車に飛行機に工場の機械などなど、化学製品もたくさん生まれた。もともと地球上に存在しているものが形を変えて出来たもの。でもそんなに人間の利便性を追求するという都合だけで物質を変化させてもいいものだろうか。たとえば人の移動するスピードについて考えてみても、大昔は徒歩で移動、一昔前は馬やラクダ、海ならば船で移動、現代は自動車や飛行機。化石燃料がなけれなりたたない現代。そのぶん環境破壊はものすごいスピードで広がりました。人間の手がついていない美しい景色、環境を維持していくことはできるのだろうか。破壊したものを少しでも元通りに戻していく事は出来るだろうか。国連加盟193か国が全会一致で可決した約束事。2016年からの15年間で達成するために掲げた17の大きな国際目標・SDGs(持続可能な開発目標)。最近よく聞く言葉です。「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向けた取り組みを私に出来ることで、実践することが大切ですね。今を生きるひとりとして、今の世界の状況の責任を担う必要がありますよね。利便性を享受しているんですから。飛行機に乗れば世界一周だって簡単に出来る現代。コロナ禍で世界中の飛行機はあまり飛んでいないと思っていたけれど、飛行機のフライト状況をリアルタイムで見れるアプリで見てみるとよくぶつからないなと思うくらい飛んでいます。それほど世界中を人は飛び回っています。この行為は持続可能な事なんだろうか。毎週日曜日の午後6時から放送されている『世界遺産』が好きで楽しく見ています。そこに映される世界自然遺産が、いつまでも残されることは現代の私たちの責任です。万年氷が溶け始め、永久凍土が溶けるほどの温暖化。今月の法語を読み替えて「素晴らしい自然の中で生かされることの難しいさ」を実感したんでは遅すぎます。「すばらしい自然の中で生かされていることのありがたさ」を知る。そのすばらしい自然をまもり、その中で生かされていることのありがたさを実感できる暮らし方をしていきたいですね。   なんまんだぶ
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