2020年03月のことば

生きるということは長さの問題ではない

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 先月、連れ合いとまったくのプライベートで宮崎県に行ってきました。最近は時間と体の自由が効く環境が整ってきたので、しばらく行っていないインドへも行きたくてうずうずしている今日この頃です。さて、宮崎に何しに行って来たのかと言うと、二月の宮崎はプロスポーツチームがたくさんキャンプをしています。これまで観た事は一度もないのですが、2月1日にプロ野球がキャンプインすると有料衛星放送チャンネルではキャンプの模様を各チャンネルで1チームをずっと中継するという番組が放送されます。毎年二月のキャンプシーズン中にはちょっと時間ができると家に戻って「さぁ日南に行くぞ」と言いながら広島カープのキャンプ中継を観ていました。いつかは現地で見たいと思い続けていた事が今年ようやく実現できました。昨年はリーグ優勝を逃しましたが、それまで三連覇をするなど近年の広島カープは久々の強い時期を迎えています。そんな我が広島カープも球団創設七十周年を迎えました。私が幼い頃の広島カープはセリーグのお荷物球団とまで言われていました。小学校5年生の時に初優勝。広島全体が歓喜の中にあった事を記憶しています。1991年以来ずっと優勝から遠ざかっていましたが、やっと2016年に久しぶりの優勝、そこから三連覇。子どもの時は大人が連れて行ってくれなければ見る事ができなかったけれども大人になれば自分で行く事ができるようになる。そうなるとなんとかして行ってしまう。2016年の北海道日本ハムとの日本シリーズは、北海道に住む広島ファンとしてはこれ以上のカードはありません。三日間札幌ドームへ通いました。黒田のラスト登板もありました。感動的な日本シリーズでした。小学5年生の時初めて広島市民球場で観戦して以来四十五年。ここ最近は広島カープの存在が私の生活の励みとなり日々のアクセントというか、楽しみのような位置を占めています。この息抜きがあるから前向きに何事にも取り組む事ができているんじゃないかと思います。球場に行くと公認の私設応援団がいます。応援団の中心の人たちは必ず見かける方ばかりです。テレビ中継を観ていてもその方達は必ず応援席で映ります。シーズン中は野球の応援が生活の中心になっているんでしょう。オフシーズンに応援のための活動資金を蓄えて、シーズン中は応援一筋で生活をされているんでしょう。熱い思いを持ち、信念が揺らぐ事なく、真摯に応援し続ける。自分の思いに正直に生きているという実感、そこには充実感や達成感が存在するんでしょう。

 世の中は人生百年時代と言われ始めましたが、生きるということは、百年間という時間の経過の中に身を置く事でも無く、生きてきた百年間という年月の長さが大切な事でも無いですよね。生きるということは、今をどう生きるのか、しっかりと自分を見つめ、足元を固めふらつかずぶれずに生きていく。その結果の百才であって百年間という時間の長さが大切なのではないですね。人は一生懸命生きようとしても、あっちにぶつかりこっちにぶつかり、本当にこれでいいんだろうかと迷い悩むことも多い。そして人生を六十年で終わる人も三十年で終わる人もある。毎日の暮らしに追われながらも、生きた年月の長さが問題では無いと気づけた生き方をしたいものだ。  なんまんだぶ

今月のことばについて

「今月のことば」の挿絵とタイトルは、株式会社探究社および株式会社法蔵館で発行している
「ほのぼのカレンダー」から引用させていただいております。

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