2016年11月のことば

どことても み手のまんなか おかげさまの どまんなか

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 今年のプロ野球も終わりましたね。私にとっては実に盛り上がった今年のプロ野球でした。25年ぶりにセントラルリーグ優勝を果たし、日本シリーズでは北海道日本ハムファイターズに2連勝の後4連敗を喫し日本一を逃した広島東洋カープ。そのカープを幼い時から応援し続けてきた。1975年の初優勝の瞬間は今でも覚えている。当時小学校5年生だった私は学校の帰り道、スーパーの移動販売車から流れてくる野球中継を聴いていた。その日のテレビ番組はどの放送局もカープ特番だった。球団設立当初の苦労、そしてそれまでのカープの歴史を振り返り、その年のシーズンを振り返る。1975年開幕時の監督はジョールーツだったがわずか1ヶ月で退団、引き継いだのが古葉監督だった。そして私が初めて広島市民球場へ行ったのもこの年だった。強いカープに引き寄せられるようにファンも球場へ足を運んだのではないだろうか。チームが強ければファンもどんどん応援に駆けつける。ファンの応援が大きくなれば選手も後押しされて頑張れるようになる。プラスの相乗効果だろう。今の広島のホーム球場には様々な座席がある。バーベキューを楽しみながら観戦ができるシートや、ソファーに寝そべりながら観戦できるシートなど野球を詳しく知らなくてもプロ野球の雰囲気を楽しむことのできる球場になっている。ファンが応援に行きたくなる球場なのである。毎試合満員のファンが詰めかけて応援してくれる。また、ビジター応援席は球場の二階席になっていて全体からはポツンと隔離されたような場所にあるのもこの球場の特徴かもしれない。だからカープの選手は自分たちの応援だけの中で試合にいどめるのである。ファンの後押しの中で試合をしてホームゲームは大きく勝ち越している。ヒーローインビューでよく選手が「みなさんの応援が力になります」と言う。ファンの声援という目に見えない力の後押しで頑張っていたのだろう。私はこれまでに培ってきた経験と知識を頼りに日暮らししようと頑張ってみるがそれだけでは生きていけない。実際にはおかげさまに気付かせてもらい多くのかげの力をいただいて生かされている。かげのちからを知るとはご恩を知る事、私のためになされていたことに気づく事、知る事であります。おかげさまを知る。ご恩を知るとどうなるか、それは私がかえられていくのであります。例えば親を亡くしてみて親の恩を知り、あぁ有難かったなと感謝の思いが深まるように、親がしてくれていた事、見守ってくれていた事、影になりに日向になって育ててくれていた事、どれもこれもおかげさまのど真ん中にこの私はありました。恩知らずのこの私を仏さまは、人生にもがき苦しみ迷い悩みながら生きているこの苦悩の私を迷いから救い真実に目覚めよと、はたいてくださっていたんですね。まさしくおかげさまのどまんなかでございました。西遊記に出てくる孫悟空は空の端まで行くといいお釈迦様の手のひらから飛び出す事が出来なかったように私も仏さまのみ手のまんなかだったんですね。   なんまんだぶ

今月のことばについて

「今月のことば」の挿絵とタイトルは、株式会社探究社および株式会社法蔵館で発行している
「ほのぼのカレンダー」から引用させていただいております。

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