2014年01月のことば

ほとけさまのお心を家庭に

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 昨年末に岩手県大槌町を訪れました。大槌町へは昨年三回程訪れました。一昨年から交流させて
いただいている仮設の方々に会いに行くためです。今までは仮設の談話室でお茶っこしたり、屋外
でジンギスカンをしていたのですが、昨年八月の末に震災で被災した浪板観光ホテルが三陸花ホテ
ルはまぎくとなってリニューアルオープンしたので、そこを会場にして懇親会をしようという話で
まとまって昨年末大槌町ヘ行ってきました。
 最近はテレビや新聞で震災関連のニュースを目や耳にする事が少なくなっています。2020年に
東京オリンピックの開催が決まり、東京の再開発やインフラ整備の方に人や物資が流れてしまうの
ではないだろうかと懸念してしまうのは私だけではないでしょう。いま大槌町では津波で流された
街の復興計画が少しずつまとまり、流された家の基礎を掘り起こし更地にし、道路を造り、かさ上
げのための盛り土が始まりだしたところです。しかし町内全ての地域で始まったという訳ではあり
ません。盛り土をするための土を運び出す山の地権者と交渉がうまく進まないなど多くの問題を解
決しなければいけない状態です。震災から四年目をむかえようとする今でもいつになったら元の土
地に家を建てて帰る事が出来るのか。いつまで仮設住宅での生活が続くのか見当がつかない不安な
生活を送らなければならない被災者の皆さんの大変困難な状況は今でも変わっていません。つらい
現実の日々の中で明るい楽しい事をしようという思いから懇親会をやろうという事になったのです
が、北海道から二十五名、大槌町の方々が三十二名、総勢五十七名の大忘年会になりました。事前
の打ち合わせもさほどする事もなく始まり《お・も・て・な・し》と思っていたのですが、かえっ
て大槌の方々のおもてなしの心をいただきました。大槌に古くから伝わる踊りをご披露くださいま
した。実は伝承する人が少なく、大槌の人でもあまり知らない踊りになっていたものをみんなで毎
朝練習して覚えて踊ってくださいました。素晴らしいおもてなしをいただきました。手作りのお土
産まで頂戴しました。ただ楽しい時間を過ごせれば良いと思ってプチ旅行気分でやって来た者を、
心からおもてなししてくださる皆さんに感激しました。有難い貴重な時間を過ごしてまいりました。
自宅も財産も何もかも失い絶望の中を生きてこられたという大変な状況の中でも人を思いやる心、
私の幸せは全ての人が幸せになることによって幸せになれるんだといわれる仏さまのお心そのもの
だと感じさせていただきました。
                                                                                              なんまんだぶ
 
今月のことばについて

「今月のことば」の挿絵とタイトルは、株式会社探究社および株式会社法蔵館で発行している
「ほのぼのカレンダー」から引用させていただいております。

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