2013年06月のことば

雨の日には 雨のおめぐみ

 2005年に『食育基本法』という法律が成立しました。前文には、食育とは生きるた

めの基本的な知識であり、知育・徳育・体育の基礎となるべきもので単なる料理知識で

はないと書かれています。
 様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生
活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められています。港北
保育所でも積極的に食育に取り組んで行こうという事で、子どもたちと一緒に畑で野菜
を育て田んぼで稲を育てています。
 今日は5月31日、天候は晴天、気温もかなり高くなりそうです。これから洞爺湖町財
田まで保育所の子どもたちと田植えに行きます。洞爺湖町財田地区も農業従事者の高齢
化によって離農がすすんでいます。一度田んぼを荒らしたら元に戻すまでが大変だし田
んぼを守りたい、地域を活性化させたいという思いから、財田のお寺の副住職さんが忙
しい時間をやりくりして稲作をされています。その田んぼの一角に子どもたちの稲を植
えさせてもらいます。それに先立ってお米が出来るまでを保育所で教えてもいただきま
した。もしかしたらこの経験が因になって、港北保育所の子どもたちの中から北海道の
農業の担い手、いや日本の農業を背負って立つ人物が誕生するかもと思うとワクワクし
てきます。
 さて、作物の生長に天候は非常に大きなウェイトを占めています。今年の北海道は春
が遅くいつまでも気温の低い日が続きました。雪解けは遅くなり大地の温度も思うよう
に上がらず農作業が半月もそれ以上も遅れたそうです。また、雨が降れば土を耕すこと
も出来ませんし機械を入れて作業をする事も出来ません。反対に晴天が続くと蒔いたば
かりの種や植えたばかりの苗は枯れてしまいます。程よく晴れて程よく雨が降る。これ
が一番です。
 では、程よくとはどれ程の事でしょうか。程よくは程よくだ。物事によって加減が違
う。では、なぜ物事によって加減が違うのでしょうか。世界の中では雨が欲しい場所、
欲しくない場所、人によっては雨が欲しい人、欲しくない人、その日の都合によっては
雨が欲しい日、雨は欲しくない日、晴れて欲しい日があります。てるてる坊主などはそ
の良い表れでしょう。晴れた日もあれば雨の日もある。
 先日、花巻の宮沢賢治記念館に行ってきました。
宮沢賢治の『雨ニモマケズ』
 雨ニモマケズ
 風ニモマケズ 
 雪ニモ夏ノ暑サニ モマケヌ丈夫ナカラダヲモチ
 慾ハナク決シテ瞋ラズイツモシヅカニワラッテヰル 
 
を読む時、自分の都合を通して大自然に逆らうのではなく、自然を受入れその中で生き
抜いて行く心を持とうという事なのだと思います。わたしの都合で良い悪いを言い、主
張ばかりで受容が出来ないこの私でありました。世の中は私の思いにそぐわない事ばか
り、なんて都合の悪い事ばかりだと思っていたけれど、それは自我を離れられない私が
観るからなんですね。
      なんまんだぶ
今月のことばについて

「今月のことば」の挿絵とタイトルは、株式会社探究社および株式会社法蔵館で発行している
「ほのぼのカレンダー」から引用させていただいております。

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