2013年01月のことば

これからではない すでに救いのみ手の中

明けましておめでとうございます

 

 先日、知人が東京へ行き日本一当選数が多い宝くじ売り場で宝くじを買うというので便乗

して買ってもらいました。さすがに当選数が多い宝くじ売り場は買うのに二時間待ちの行列

だったそうです。みんなお金持ちになりたいという夢をつかもうとしているんですね。宝く

じを買うと抽選日までじつに楽しい日々を過ごす事ができます。もし当たったら、あーして

こーしてと取らぬ狸の皮算用であります。宝くじなんて当たる訳がないと思っていても買わ

なければ当たる事もない訳で、一枚だけでも買うと楽しめてしまうのであります。今日は12

月28日、抽選日の大晦日まで夢がどんどん膨らんでいきます。さて、一月に夢を託すといえ

ば国民的行事ともいえる初詣があります。日本に住んで居るおおかたの人がどこかこっかに

初詣なりをしているのではないでしょうか。「今年一年家族全員が健康でありますように」

「病気が治りますように」「元気で長生きが出来ますように」「日本の景気が良くなります

ように」「すてきな人と出会えますように」とか、みんないろんなお願い事をしているので

はないでしょうか。そしてこれからの時期、季節限定のお願い事といえば「合格祈願」があ

りますよね。もうすぐ大学入試センター試験がおこなわれます。受験生の皆さんにとってお

正月なんか関係は無いんでしょうね。合格めざして一生懸命受験勉強をされるのでありまし

ょう。「どうかうちの子が希望の学校に入れますように」「どうかうちの子だけは必ず受か

りますように」「よその子は落ちてもかまいませんからうちの子だけは落ちませんように」

自分の子が合格するためには他に落ちる子がいようと構いはしないという事ですよね。

 さて、受験から救われる、受験から解放される事を段階的に考えてみたいと思います。まず

受験をします。そして採点をします。それから合格者選考をします。ここで合格が決定しま

す。次に合格を知らせる準備をします。いよいよ合格通知が届きます。ここで初めて本人が

合格した事を知ります。すでに合格はしていても少しも受験地獄から救われない。合格通知

を手にした時に受験から解き放たれたとなるのですが、実はすでにその前から受験からの解

放は決まっていたんですね。多くの初詣者の願い事の中身は、健康、長生き、一攫千金など

私の都合、欲望でありましょう。しかし阿弥陀さまは、健康も長生きもお金も受験もなにひ

とつ任せておけとはいわれません。私の願いや望みを叶える事を救いとはされません。自分

の都合や欲望に振り回される人生を送っている私の姿を、欲望に束縛された人生と見抜か

れ、それらの束縛から解き放たれた人生にかえてやるぞとお誓いくださっているのでありま

す。それは私の見ていた世界の見方が変えられるという事であります。仏様の眼を通して物

事を見る事が出来るようにならせていただけるという事です。そうしたならば、五体満足も

不老長寿も私の価値観が私を惑わせていたんだと見ることが出来るようになっていくのであ

ります。がしかし、お粗末ながらわたくしは大晦日までは一攫千金の亡者となってしまうの

でした。 

        なんまんだぶ

 

今月のことばについて

「今月のことば」の挿絵とタイトルは、株式会社探究社および株式会社法蔵館で発行している
「ほのぼのカレンダー」から引用させていただいております。

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