2019年8月

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 先月21日に参議院選挙が行われた。これまで欠かさず投票に行き、権利をしっかりと行使してきた。後の世の人たちが心豊かに暮らせる社会、みんなが幸せと思える社会の実現のためにとの願いを込めて投票しています。選挙が終わると投票結果が分析されます。今回の投票率は48.80%で24年ぶりに50%を割り、過去2番目に低い投票率だったそうです。どうしてみんな投票に行かないのかその理由がわからない。興味関心がない、魅力がない、選挙の争点がよくわからないなど、理由はいろいろあるんだろうけれど投票はしようよと思う。有権者の半分以上の人が意思表示しない、そんな結果が有効とみなされる事は、いかがなものだろうかと思う。それを民意と言うのだろうか。投票に行かない有権者も悪いが、そんな有権者がたくさん増えた今の政治に問題はないんだろうか。争点がはっきりしない中での選挙結果で、安倍さんは憲法を変える事への議論を積極的に進めるような雰囲気を感じさせています。まずは、憲法って誰が守るべき決まりかと考えると、国民を守るために国家権力が守るべき決まりです。そうすると首相が憲法について現代にあったものに変更するために憲法審査会を開いてください。議論してくださいと言うのは違うと思いませんか。国民が今のままの憲法では不都合があるからみんなで考えようと言うのであれば国民の代表として選ばれた国会議員の側から、考えてみませんかと言う事なら理解はできます。でも安倍さんから言うのはどうも納得できない。でも選挙で自民党が過半数を超えたんだからいいじゃないかと言う事なんだろうか。はじめにも書いたが投票率が有権者の過半数を超えていない選挙で、議席の過半数をとったから民意だとは言えないでしょう。人は誰もが平和な世の中を望んでいます。誰一人として悲しむ事のない世の中の実現のために努力しています。その方法として憲法を変えなければならないという言う人と、これまで日本が戦争をしてこなかったのは憲法が有ったからだと言う人もいます。どちらも平和な世の中の実現、みんなが幸せになれる世の中の実現のためにと色々考えている事に違いはない。しかし、今の世界を観てみると自国の利益を最優先に考え、行動している国ばかり見えてくるのは私だけだろうか。アメリカと中国の経済戦争、日本と韓国との間のいろいろな問題など、世界中に問題課題は山積みです。相手より優位になろう、主導権を握ろうと必死です。お互いのみんなが笑顔になる方法はないものだろうか。仏教徒にとって一番大切な生き方は、非暴力・不殺生です。『法句経(ダンマパダ)』に「すべての者は暴力におびえ、すべての者は死をおそれる。己が身をひきくらべて、殺してはならぬ、殺さしめてはならぬ」とあります。「己が身にひきくらべて」とは、相手の立場に立って殺される恐怖や苦しみを、自分自身の恐怖や苦しみと受け止めるという事。それができれば殺す側には立てません。いま世界でおこっている戦争やテロは、自己の正義を振りかざし、殺される生命の苦しみや痛みには共感などしていない。憲法を変える変えないの議論のベースには、みんなが幸せになれる事、誰一人として悲しまない世界の実現のためである事でなければなりません。そのためには非暴力・不殺生という仏教徒の生き方を貫く事が鍵になってきませんか。戦後74年を迎え、こんなに幸せのどまん中にいながら、この幸せがみえていない、気付いていない人がどれだけ多い事だろう。八月を迎えて、原爆を体験した国の仏教徒として、『法句経(ダンマパダ)』の言葉を通して幸せについて考えてみたい。
       なんまんだぶ
 
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