2017年7月

雨の日には 雨の日の 大切な人生がある

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 今年もイカの水揚げ量が思わしくないようです。イカ好きの私としては非常に悲しくなってしまいますが、どうしてこんなにイカが不漁になったのだろうか。サケもそうだし、秋刀魚も獲れていないようですね。あまりに乱獲しすぎたのだろうか。それとも今までいた海域にいなくなったのだろうか。海の中も大きく変わって来ているようだけれど、空の方も気候の変動が激しいと思うのは私だけではないでしょう。最近テレビでよく聞く言葉に「記録的な大雨を観測しました。」毎年記録しているんじゃないだろうか思ってしまう。確かに雨の振り方もこれまで経験したことがないように感じる。かと思えば、東京という世界的な大都市の人口を賄うだけの水源を確保しようとする時に雨が降らない空梅雨の年になると、「ダムの貯水量が何パーセントを切りました。このまま雨が降らないと取水制限が始まります。節水にご協力ください。」などとアナウンスが流れてくる。一体どうなっているんだろうか。地球全体の環境のバランスが乱れているんだろうな。乱している張本人は私だな。人間はなんでもコントロールしようとしますね。そういえば東京ディズニーシーにあった『ストームライダー』がなくなりましたが、あのアトラクションは大型台風の目にストームディフーザーなるものを打ち込んで台風の目を消滅させる飛行機に搭乗するというアトラクションでしたが、そう遠くない近未来には実現しそうな感覚を持ちました。人間は人類の快適さや利益といったものを最優先に考え物事を行う動物です。雨降りが続き、低温状態が長引けば作物の生育が遅くなり、収穫量が減り価格が高騰する。逆に晴れた日が続いて作物が豊作になれば供給過多になり価格が暴落したりする。自分に都合がいいように、人間に都合がいいように、人間社会に都合がいいようにコントロールしています。獲れすぎた野菜が収穫もされずに畑にそのまま残されていたり、自分たちの都合で決めた規格に合わないものは規格外として扱う。もうそろそろ人間の都合だけでは無い生き方を選択しなければいけない時代になって来ていせんかね。焼酎の銘柄にもなっていますが、『晴耕雨読(せいこううどく)』(晴れた日には田畑をたがやし、雨の日には家で読書をすること。悠々自適の生活にいう。【大辞林より】)という言葉があります。雨が降れば雨降りの日の過ごし方をする。晴れた日には晴れた日の過ごし方をする。天候に合わせた日暮らしをする生活というのは、辞典にあるように実はすごく贅沢な生き方であり、優雅な時間の過ごし方ですね。現代社会は一見便利で豊かな社会のように見えるけれども、時間と効率、自己の利益といったものを最優先にする世の中になっていますよね。本来大切にしなければならないことをないがしろにして暮らしていますよね。もしも晴れた日には田畑を耕し、雨の日には焼酎を飲みながら読書をするそんな生活ができる様になったらと想像しようとするけれど、なかなか想像することすらできないそんな現代を生きている私なのかな。
     なんまんだぶ
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